【体幹部】　（胴体の症状）

部位別（整形外科的）の分類

1.　「椎間板ヘルニア」　椎間板内の髄核が脊柱管内にとび出し、神経根を圧迫している状態

2.　「椎間板症」　椎間板が水分を失い、軽度に変形したり変性している状態
3.　「分離症」　脊椎の後方にある椎間関節近くの疲労骨折
4.　「分離すべり症」　分離症が悪化して、分離している腰椎が前後にずれている状態
5.　「変形性脊椎症」　老化に伴い、椎間板の水分が減って椎間板の角に骨棘ができる
6.　「骨粗鬆症」　脆くなった背骨が圧迫骨折でつぶれた状態、
7.　「脊柱管狭窄症」　椎間関節の骨棘が脊柱管を狭くし、脊柱管の中の馬尾神経を圧迫する
8.　「変性側弯症」　高齢者で変形性脊椎症が原因で、腰椎柱が左右どちらかに傾いてしまった状態

時期的な分類

1.　「急性腰痛」　明らかに痛めた原因がわかるもの　（ぎっくり腰など）

2.　「慢性腰痛」　いつ痛めたのかわからないものや、常に腰に痛みを感じているもの

以下、「急性腰痛」と「慢性腰痛」をご紹介していきます。

一般的に、重いものを持った時や急な体幹の捻転時におこる急性の腰痛を指し、一般的に「ぎっくり腰」と呼ばれます。ただし「ぎっくり腰」という正式な病名はなく、「急性腰痛症」が正しい名称です。ドイツではその激しい痛みから「Hexenschuss＝魔女の一撃」と呼ばれています。

症状

• 中腰で物を持ち上げたり、急に立ち上がろうとした瞬間、腰に激痛が走り動くことが困難になる。
• 腰部の激痛により歩行が困難になる。
• 始めのうちは腰に違和感がある程度だったのが、徐々に痛みが強くなってくる。
• 上半身を起こすことができない。
• おじぎをすることも、体を反らすこともできない。
• くしゃみや咳をしたときに腰に激痛が走る。
• 横になっていても強い痛みが続く。
• 寝返りが打てない程痛いなど。

原因

物を持ち上げたり、くしゃみをしたことが主な原因だと思われることが多いのですが、これらは単なるきっかけに過ぎません。多くの場合は日頃の生活習慣で腰への負担をかけているうちに、ダメージが限界近くまで蓄積しており、そこに先にあげた要因が加わることで起こるのです。

医学的には、最初に痛みを感じてから3ヶ月経過しても治まらないものを、慢性腰痛といいます。

症状

腰全体に疲労感、脱力感があり、重苦しい痛みを感じるのが特徴です。長時間に亘る同じ姿勢での作業や、車の運転、雨の日（気圧の低い時）や気温の低い時などに痛みが増すことが多いようです。

原因 

Ｘ線やＭＲＩなどの目に見える画像診断では、原因の特定は難しく、85％以上は異常が見られないのが実状です。慢性腰痛の一番の原因は、疲労の蓄積による筋筋膜性腰痛です。言い換えればそれらの殆どは生活習慣における不良姿勢から来るものといえます。

この他、脊椎分離症、脊椎すべり症、変形性脊椎症、腰部脊中管狭窄症、骨粗鬆症など骨（腰椎）に起因するもの、椎間板ヘルニアのように椎間板に起因するものもあります。また、消化器系や婦人科系疾患起因のものもあるので注意が必要です。その他、心理的ストレス・痛みの記憶など複合的な理由により発症することもあります。

一部を除き、【急性腰痛】と【慢性腰痛】いずれも共通する原因があります。それは日常生活における不良姿勢です。長時間、長期間にわたる不良姿勢は各筋肉に過度な負荷をかけるだけでなく骨盤も歪ませます。土台の骨盤が歪むと、様々な部位に歪みの代償が波及して悪循環が生まれるのです。急性腰痛の場合、患部では強い炎症を伴いますので、まずは炎症を取り除くために十分なアイッシングを行ってから矯正を行います。 土台である骨盤の矯正を行うことは痛みの原因を根本から改善することにつながります。

※はじめに各検査で原因の特定を行い、当院で対応できないものについては他の医療機関での受診をお勧めしております。

施術方法（一例）

• 通常矯正が可能な場合　ディバーシファイドテクニック・ガンステッドテクニックほか
• 通常矯正が不可能な場合　アクティベーター・ＳＯＴほか
• 筋肉の異常緊張を取る場合　ＡＫ・カウンターストレインほか
• 圧痛点がある場合　トリガーポイント療法ほか
• サポートが必要な場合　キネシオテーピング・骨盤ベルトほか

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